肌のベタつきは皮脂のせいじゃない。30〜40代の化粧崩れは「たるみ毛穴」が原因だった

肌のベタつきは皮脂のせいじゃない。30〜40代の化粧崩れは「たるみ毛穴」が原因だった

美容家・鍼灸師・国際中医師 濱田文恵

目次

はじめに——「また化粧が崩れた」の本当の原因

「また化粧が崩れてしまった」「鼻や頬がテカる」——気温が上がってくるこの時季、肌のベタつきに悩む方は多いですよね。

多くの方が「皮脂が多いせい」と考えがちです。でも実は30〜40代の大人女性に多い化粧崩れの原因は、皮脂の過剰分泌とはまったく別のところにあることがあります。

それが「たるみ毛穴」です。

皮脂コントロールをどれだけがんばっても改善しないのは、そもそも原因が違うから。今日は皮膚科学と東洋医学の両面から、たるみ毛穴のメカニズムと今日から始められるケアをお伝えします。

毛穴トラブルには3種類ある——あなたはどのタイプ?

毛穴のトラブルは大きく3種類に分類されます。

  • 黒ずみ毛穴:角栓が酸化して黒くなったもの。
  • 角栓毛穴(詰まり毛穴):皮脂や汚れが毛穴に詰まったもの。
  • たるみ毛穴:肌の衰えによって毛穴が縦長にゆるんだもの。

①②は皮脂の過剰分泌が主な原因ですが、③の「たるみ毛穴」は根本的に異なります。

同じ「毛穴が目立つ」という悩みでも、原因が違えばケアの方法もまったく変わります。

たるみ毛穴とは何か——メカニズムをわかりやすく解説

たるみ毛穴とは、コラーゲンやヒアルロン酸などの真皮成分が減少・変性することで肌の弾力が失われ、毛穴が重力に負けて縦長にゆるんだ状態のことです。30代後半〜40代の頬周りに多く見られ、加齢・紫外線ダメージが主な原因となります。

私たちの肌は表皮・真皮・皮下組織の3層構造でできています。この中で肌のハリと弾力を支えているのが真皮層に存在するコラーゲンやヒアルロン酸です。

ところが紫外線や活性酸素の影響で真皮層が衰えると、肌を内側から支える力が低下します。すると毛穴は本来のキュッと丸い形を保てなくなり、重力に負けて縦長にだらんとゆるんでしまう——これがたるみ毛穴の正体です。

毛穴がゆるめば、皮脂が過剰でなくても自然と皮脂が流れ出やすくなり、肌表面がベタつき、化粧崩れへとつながっていきます。つまり30〜40代の「テカリ・化粧崩れ」は、皮脂の問題ではなく「肌の土台の衰え」が原因のことが多いのです。

なぜ紫外線対策が毛穴ケアになるのか

ここで重要なのが紫外線対策です。肌の衰えの原因の80%以上が紫外線によるものとされており、しかもそのほとんどは海やプールでの強烈な紫外線ではなく、毎日の生活で気づかずに浴びる「うっかり紫外線」によるものです。

紫外線は2月後半から10月初めまで降り注ぎ、特に4〜5月は1年で最も強い時期。「夏になってから始めればいい」では遅く、スキンケアの最後に日焼け止めを塗ることを通年の習慣にすることが、たるみ毛穴の最大の予防策になります。

たるみ毛穴×テカリ肌の化粧崩れ対策3ステップ

ステップ①「エイジングケア成分で保湿し、収れんで引き締める」

たるみ毛穴のケアでまず大切なのは、衰えた真皮層をサポートするエイジングケア保湿です。

洗顔後、コラーゲン・ヒアルロン酸・プラセンタなどのエイジングケア成分を含む化粧水をコットンに含ませ、顔全体をパックします。5分ほど置いたらコットンを外し、手のひらで顔を覆うように押さえながら、やや上向きに化粧水を肌になじませます(リフトアップを意識するのがポイント)。

続いて同じくエイジングケア成分を含む美容液を頬周りを中心に塗布。最後に収れん化粧水をコットンでパッティングして毛穴を引き締め、皮脂の流出を抑えながら美容成分をしっかり肌に閉じ込めます。

ステップ②「下地・ファンデーションとは別に日焼け止めを塗る」

UV機能のある下地やファンデーションを使っている方も多いと思いますが、気温が高くなる時期はそれとは別に日焼け止めを重ねることを強くおすすめします。スキンケアの仕上げ=日焼け止め、という意識を習慣にしましょう。日々の積み重ねが数年後の肌の差に直結します。

ステップ③「メイクの最後にフィックスミストをプラス」

各メーカーから発売されているメイク定着スプレー(フィックスミスト)を、メイクの仕上げに使う習慣をつけましょう。メイクのもちをよくするだけでなく、大気中の活性酸素から肌を守る役割を果たすものもあります。夏場はポーチに入れておけば外出先での化粧直しにも重宝します。

「乾燥が怖いから保湿しない」は逆効果

肌のベタつきを嫌がって、さっぱり系の化粧水だけで保湿を省略してしまう方が意外と多くいます。でも大人女性の肌にとって、これは逆効果です。

乾燥すれば肌はそれを補おうと皮脂を過剰に分泌し、さらに乾燥が進めば真皮層の衰えを加速させ、たるみ毛穴を悪化させる——という悪循環に陥ります。ベタつきが気になるからこそ、エイジングケアを意識した保湿が必要なのです。

東洋医学から見た「たるみ毛穴」——脾と肺の衰えが肌に出る

東洋医学の視点からも、たるみ毛穴を読み解くことができます。

中医学では「脾は肌肉(きんにく)を主る」とされており、脾の働きが弱まると筋肉・皮膚への栄養供給が低下して肌のハリが失われやすくなります。また「肺は皮毛を主る」——肺の潤いを保つ力が弱まると、皮膚のバリア機能が低下し肌が衰えやすくなります。

つまり、コラーゲンを守るスキンケアと並行して、脾と肺を養う生活習慣(温かい食事・乾燥を避ける・冷たいものを控える)を整えることが、たるみ毛穴の根本的な予防になります。

スキンケアで表面を整えながら、内側の臓腑も整える——これが文恵さんの提唱する「美容医療の前にまず整える」東洋美容の考え方です。

よくある質問(Q&A)

Q. たるみ毛穴とは何ですか?黒ずみ毛穴・詰まり毛穴との違いは?

A. たるみ毛穴とは、コラーゲン・ヒアルロン酸などの真皮成分が減少することで肌の弾力が失われ、毛穴が重力に負けて縦長にゆるんだ状態のことです。黒ずみ毛穴(角栓の酸化)・詰まり毛穴(皮脂の詰まり)とは原因が根本的に異なるため、皮脂コントロールだけのケアでは改善しません。エイジングケア保湿・紫外線対策・収れんケアが正しいアプローチです。

Q. 30〜40代の化粧崩れが皮脂のせいではない理由を教えてください。

A. 30〜40代になると真皮層のコラーゲンが減少し、毛穴を支える力が弱まってたるみ毛穴が増えてきます。毛穴がゆるむと皮脂が過剰でなくても自然に流れ出やすくなり、肌表面がベタつきます。つまり化粧崩れの原因は「皮脂の多さ」ではなく「肌の土台の衰え」である場合が多く、皮脂コントロール系のケアだけでは根本的な改善につながりません。

Q. 収れん化粧水はたるみ毛穴に効果がありますか?

A. 一時的に毛穴を引き締めてテカリ・化粧崩れを防ぐ効果があります。ただし収れんケアだけでは真皮層の衰えそのものには働きかけられません。エイジングケア成分(コラーゲン・ヒアルロン酸など)での保湿と紫外線対策を先に行い、その仕上げとして収れんケアを重ねる順番が最も効果的です。

Q. たるみ毛穴を悪化させる習慣は何ですか?

A. 紫外線対策をしないこと・保湿を省略すること・肌をこすること、この3つが最も影響が大きいです。また中医学的な視点からは、冷たいものの摂りすぎ・睡眠不足・ストレスの蓄積も脾と肺の衰えを通じて肌のハリ低下につながります。スキンケアと生活習慣の両面から整えることが根本的なたるみ毛穴対策になります。

まとめ——毛穴ケアは「表面」より「土台」から

30〜40代は肌の大きな転換期です。「また皮脂のせいかな」と思っていたら、実は肌の衰えのサインだった——ということは珍しくありません。

たるみ毛穴の対策は3つだけです。日焼け止めを通年の習慣にする、エイジングケア保湿で真皮層をサポートする、収れんケアで毛穴を引き締める。

毛穴ケアは表面的な皮脂コントロールだけでなく、肌の土台となる真皮層を守ることから始まります。この朝のルーティンを整えるだけで、数ヶ月後の肌が変わってきます。

執筆者プロフィール

濱田文恵(はまだふみえ) 美容家・鍼灸師・国際中医師・国際中医薬膳師・毛髪診断士・医薬品登録販売者

中国・江蘇省蘇州生まれ、4歳から日本で育つ。東洋医学と美容の研究を10年以上続け、3人の子を育てるママでもある。鍼灸師国家資格取得、上海中医薬大学日本校中医専門課程修了。株式会社LINOME代表取締役、一般社団法人日本セルフ美容協会代表理事。漢方コスメブランド「朱華(shuka)」プロデューサー。「老けの根っこから整える」東洋×西洋の美養法・延美長寿を提唱。

本コラムは、鍼灸師・国際中医師の資格をもつ濱田文恵が、皮膚科学および東洋医学の知見にもとづき執筆しています。医療行為を目的としたものではありません。症状が強い場合は皮膚科へご相談ください。

この記事を書いた人

鍼灸師・国際中医師・毛髪診断士。東洋医学をベースにした美容と養生を発信しています。

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