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【漢方的】春の心と体の特徴
四季のある日本で生活している皆さまなら感覚的に分かると思いますが、春といえば草木や花たちが一斉に芽吹き、あらゆるものが上に向かう季節です。もちろん、これは地球上に生きている私たち人間にも当てはまること。人間の心と体に起きる変化といえば、冬の間に体内に溜められていた気が体表に出てきます。そのため、やる気に満ち溢れる方もいれば、冬の間にきちんと養生しなかったために、悪い気が体表に現れ、不調の症状に悩まされる方もいるでしょう。
特に、先ほどお伝えしたように、あらゆるものが上に向かう季節なので、不調の症状が上半身に現れやすくなります。具体的に挙げるとすれば、花粉症に近い鼻水が出たり、目にかゆみを感じたり、ひどい場合にはめまいや吐き気に悩まされることもあるでしょう。
心も体も健やかに!春の過ごし方

気が上半身に向かいやすいということは言い換えれば、下半身の気が不足しがち。気というのは、体温調節の働きも兼ねているので、下半身が冷える傾向にあります。そこで、春になったからといってすぐに薄着で外出しては、余計に足元の冷えを助長させてしまいます。また体内に溜まっていた気が動き出す時期なので、積極的に運動するのもおすすめ。せっかく気が巡ろうと思っていても、室内にこもってデスクワークばかりしていると、気が滞ってしまい、いわゆる気滞という状態になってしまいます。軽い運動でもいいので、体を動かし、体内の隅々まで気を巡らせましょう。
今日から意識してほしい春の食生活事情
春は五臓の中の「肝」の季節。肝といえば、酸味のある食材と相性がいいです。イメージとしては、梅やみかんなどの柑橘類や、酢の物もいいでしょう。野菜好きの方には、山菜もおすすめです。山菜やタケノコのえぐみは、体内の毒素排出に一躍かってくれますよ。
《そのほか春におすすめの食材》
菜の花、山菜類、パクチー、あさり、ホタテ、牡蠣(かき)、セロリ、タケノコ、アスパラガス、そら豆、わかめ、いちご、キウイ 等