二十四節気

二十四節気〜冬至の養生法〜

2018年の冬至 12月22日 土曜日

2018年の冬至は12月22日(土曜日)になります。冬至は二十四節気の中の22番目の節気に当たります。冬の中では4番目の節気で、日本だと血の巡りを良くするゆず湯に入り、ビタミンEやβカロテンが豊富なかぼちゃを食べて体の免疫を強化し、寒い冬に備えますよね。

同じように中国でも冬至は中華民族にとって伝統的な日のひとつ。

後漢書(中国・後漢期の歴史書)によれば、冬至になると、朝廷ではこの数日間を休暇とし、君子は体を休め、官職の人々も業務をやめる。親戚や友人同士で挨拶回りをし、美味しいものを贈り合あっては、瑟(しつ)や笙(しょう)を奏で、共に食しお祝いをしていたのだそう。また冬至は祀られた先祖を敬う日でもあり、皇帝は郊外に出向き祭り事を行い、庶民は自分たちの両親を尊い拝んでいだという。

カラダの養生面では、古代の養生専門家たちによると

中華民族の故人
中華民族の故人
阴极之至,阳气始生,日南至,日短之至,日影长之至,故曰“冬至”。

意訳すると、冬至は「陰が最も極まる日であると共に、陽の気が始まる日でもある。太陽が最も南に位置し、日は短く、夜は長い。それを冬至と言う。」と言われていたそうです。そしてこの冬至を過ぎれば陽の始まりと共に、昼間もまた1日1日長くなっていくとされています。今日は中華民族によって伝えられてきた冬至の養生法をお伝えしたいと思います。

目次

冬至の養生法

冬至は、養生においてとっても需要な節気になります。

中国古代書のひとつ《易経》によれば、

“冬至阳生”,冬至对人的影响极大,是人体阴阳气交的关键时期。

(「冬至陽生」、冬至はヒトの体を構成する陰陽の気の巡りに大きく影響する時期)

つまり、冬至の日は、陰が極まって陽をが発生するので、人間の体の中でも陽気が盛んにか極まってきます。そのため、外からの栄養を吸収しやすく、栄養の効果を発揮しやすいのです。言い換えれば、この時期に人間はきちんと養生をすると、体のパワーが整えられ、老化を防ぐことができ、健やかに長生きできるというわけです。

【男女別】おすすめの養生法

女性の場合、冬は「肝」の養生をするのが良しとされています。というのも、女性の体は男性よりも血を基本としているので、血の貯蔵を司る「肝」の養生は女性にとって女性として生まれた時から必要なこととも言えるのです。現代女性が悩まされる目に関わる病、筋に関わる病、月経不順などの婦人科に関わる病などは、全てこの「肝」と関わるので、気温が寒くなり、血の巡りが悪くなる冬は特に「肝」養生を意識しましょう。

男性の場合、冬は「腎」を養生するのが良しとされています。中医学では、「腎」には臓精、成長、発育、生殖、水液代謝の働きがあるとされ、別名「先天の本」と呼ばれています。古代の養生専門家によれば、腎を養生することが、老化を防ぐための得策であるとされているほどです。

冬至に気をつけたい体の不調

冬至は寒さが極まるので、養生だけでなく、冬だから招きやすい体の不調を防ぐことも重要です。厳しい寒さと気温の低下によって、心脳血管系の不調に気をつける必要があります。

冬至におすすめの食養生

冬至におすすめの生薬と食材

おすすめ生薬

当帰、地黄、枸杞、芍薬、白朮、茯苓、大棗、蓮子、芡实(オニバスの実)、山薬、川芎、人参、三七、杜仲、何首烏、紫河車(プラセンタ)、冬虫夏草など。

おすすめ食材

ごま、くるみ、牛もつ、ラム肉、鶏肉、魚肉、龍眼、ライチ、栗、落花生、豆乳など。

冬至に避けて欲しい生薬と食材

避けたい生薬

金銀花、薄荷、菊花、罗汉果(らかんか)、莫大、決明子など。

避けたい食材

しじみ、カニ、緑豆、もやし、生レンコン、瓜系の野菜果物、冷たいビール

冬至におすすめの薬膳レシピ

●当帰牛肉スープ

材料

当帰 15g
生姜 15g
ラム肉200g

[作り方]
(下処理)当帰と生姜を水洗いする。一口サイズに切ったラム肉を沸騰したお湯に入れる。アクが出てきたら、一度お湯をして、キレイな水ですすぐ。
ラム肉、生姜、当帰を鍋に入れ、全ての材料が浸かるまで水を入れたら、強火で沸騰させる。アクが出てきたら取り除き、弱火で1時間ほど煮込んだら完成。

[レシピの効果]
養心安神、補腎薬填精、健脾开胃、活血化瘀
冬に食べる事で五臓のバランスを整え、寒さに対する抵抗力を高める。特に、手足が冷え、力が出ない方におすすめ。

冬至の養生法まとめ

暦の上では、冬至を境に陰陽が変わるとされていますが、寒さ自体は3月頃まで続きます。中医学では人間の体は過度な寒さを受けると寒さが「寒邪(かんじゃ)」という邪気になり、風邪と同様に万病も元になりえます。また今回ご紹介した中国古代書のひとつ《易経》内の言葉以外にも「冬至養一年」という言葉があり、この冬至の期間にきちんと養生することができれば翌年の一年は元気な体で過ごせると考えれているほどなのです。そのため、日頃から体を温め、さらに今日紹介したような食材などを毎日のレシピに積極的に取り入れてみてくださいね。

ABOUT ME
日中美容研究家 濱田 文恵
医薬品登録販売者 / 国際中医薬膳師 自身のニキビ肌をセルフ美容で克服した過去から、”キレイ” は自分自身で作れることを確信。2017年、一般社団法人日本セルフ美容協会を設立。毎日のセルフ美容に自身のルーツである東洋と西洋を組み合わせた独自の美養法を提唱する。 昨年末、初の著書『運命をこっそり変える』を出版。現在は美容家として、幅広く活動する。