二十四節気

二十四節気〜大寒の養生法〜

2019年の大寒 1月20日 日曜日

2019年の大寒は、1月20日(日曜日)になります。 大寒は、二十四節気の中で最期の節気。毎年およそ1月20日前後で、太陽が黄道座標300度に達したときとされています。まだ寒さは感じますが、春に近づいていることもあり、大雪から冬至に向かっていた時期に比べると寒さが少し和らいでくる時期でもあります。今回は、大寒の時期の過ごし方をご紹介したいと思います。

黄道座標とは
天球上の緯度と経度にあたるものとして黄緯と黄経(こうけい、ecliptic longitude: λ)を使用する。 黄緯は地球の公転面の天球上への投影である黄道を0度、地球の公転面に垂直な方向を90度として表す。 Wikipediaより
《灵枢·本神》曰く
《灵枢·本神》曰く
“智者之养神也,必顺四时而适寒暑,和喜怒而安居处,节阴阳而调刚柔,如是僻邪不至,长生久视”。
意味としては、賢い人は自然界の変化に目を向け、外からの邪気を防ぎながら、積極的に自然の規律に合わせ活動すると言っています。この考えに合わせれば、厳しい寒さが続く大寒は、体内の陰陽代謝もゆっくり活動しているため、日頃から早く寝て、ゆっくり起きることが大事です。体内にある陽気をむやみに消費せず、過度な労力を消費せず、また焦ったり怒ったりと心身を乱れさせることも避けるようにすることが大事です。

~中華圏の人々の大寒の過ごし方~

旧暦で考えると旧正月(春節)にあたるこの時期は年末年始を挟むため、中華圏では、一年の終わりにお別れを告げ、一年の始まりをお祝いするために部屋を飾り立て、お祝いの準備を始めます。日本のおせちのように、鶏や鴨をローストしたものや、保存がきくソーセージなどを用意します。そして当日は自分たちの祖先や天の神様にお祈りをし、翌年の平和を祈ります。
中国の北のほうに住んでいる人たちは、”五谷雑穀”をベースにした『腊八粥』を作ります。(別名:七宝五味粥、大家飯とも)五谷雑穀とは、五種の雑穀である米をはじめ、大豆やオート麦、とうもろこしなど、そのお家ごとに変わってきます。そこに、落花生やなつめ、栗、蓮子などを入れて、ほのかに甘く、香ばしいお粥を作るのです。昔から、新しい年を迎えるために欠かせない主食の一つでもあります。
(※イメージ図です。)

大寒に気をつけたい体の不調

この季節は、心、肺、腎の不調に気をつけましょう。早朝と夜遅い外出は控え、出かける時にはコート、マスク、帽子、ストールなどを活用して冷えに気をつけましょう。また部屋を暖めるあまりに暖房のつけすぎによる湿度の低下にも気をつけましょう。白湯を飲み、体内の水分を補います。中国のご年配の方の中には、調子がいいときに顔や手足を和えて、冷水につけ、冷えに対する抵抗力をつける方もいるのです。

心養生について

一般的には冬と聞くと「腎」に目を向けがちですが、中医学の理論によれば、

 

“冬主肾,肾主咸,心主苦,咸胜苦,肾水克心火。”

冬は腎経が旺盛な時であり、腎は鹹味で養生できるとされています。しかし、一方で取り過ぎてしまうと、鹹味は苦味を打ち負かすので、腎の水が、心の火を打ち負かしてしまうのです。なので、鹹味で腎の養生をしつつ、苦味のある食材も摂り、心の陽気も養いましょう。特に今の世の中は、塩分が高いものが多いので、日頃から濃い味付けが好きな方は、鹹味を減らし苦味のある食材を多めに摂るようにして、腎の水を抑え、心の気を滋養し、腎と心のバランス、そして体内の陰陽バランスを調整すると、健やかな大寒を過ごすことができますよ。
また、心の安定を養うべきだという考え方には、こんな言葉もあります。

 

“暖身先暖心,心暖则身温”

温めるなら体よりも先に心を。心が温めることは、すなわち体を温めること。心の状態が良ければ、気も血も巡りが良くなり、手や足先まで温まるので、厳しい寒さにも撃ち勝てるようになります。心の状態を良くするためには、物事を冷静に判断し、邪気となりえるイライラや怒りを極力減らすことに繋がるいうわけです。

大寒におすすめの食養生

大寒は、二十四節気の中で最期の季節。つまり、冬から春に季節が入れ変わる時期。この時期は、薬膳でいうと鹹味を減らし、苦味のあるもので、心の気を養うのがおすすめ。温かいものを食べ、脾胃の陽気を守るのも大事。ただし、乾燥しているものの食べすぎは禁物です。

大寒におすすめの生薬と食材

 寒い日が続く大寒には、寒さを散らしてくれる食べ物で、体内に寒邪が入り込むのを防ぎましょう。

 

おすすめ生薬

当帰、地黄、枸杞、芍薬、白朮、茯苓、大棗、蓮子、芡实(オニバスの実)、山薬、川芎、人参、三七、杜仲、何首烏、紫河車(プラセンタ)、冬虫夏草など。

おすすめ食材

粳米、山薬、蓮子、白木耳、人参、大根、ほうれん草などの緑黄色野菜など

※大根は、“冬吃萝卜夏吃姜(冬は大根を食べ、夏は生姜を食べる)”という言葉があるほど、冬にはたくさん食べるべき食材なのです。

大寒に避けて欲しい生薬と食材

避けたい生薬

当帰、肉経、鹿茸、冬虫夏草、核桃仁、熟地黄、枸杞子、干姜など。

避けたい食材

硬く冷たいもの、海鮮類など

大寒におすすめの薬膳レシピ

南京に住む人々は大寒になると、「一九一只鸡」という言葉にちなんで、冬至から始まった寒さに打ち勝つために、鶏肉を煮込んだスープを飲むようにしています。ゆっくり時間をかけて煮出すことで、鶏の栄養成分がスープに行き渡ります。またスープになることで体内に吸収されやすくなり、冬の気・血を補うのです。

 

大寒の養生法まとめ

大寒を乗り越えれば、春はもうすぐそこです。とは言え、油断せずに日頃から体を温め、過度な仕事や精神的な疲れは極力避けましょう。春夏に比べて少し遅めに起きれるよう、体にも心にも余裕のある生活を心掛けることが大事です。
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日中美容研究家 濱田 文恵
日中美容研究家 濱田 文恵
医薬品登録販売者 / 国際中医薬膳師 自身のニキビ肌をセルフ美容で克服した過去から、”キレイ” は自分自身で作れることを確信。2017年、一般社団法人日本セルフ美容協会を設立。毎日のセルフ美容に自身のルーツである東洋と西洋を組み合わせた独自の美養法を提唱する。 昨年末、初の著書『運命をこっそり変える』を出版。現在は美容家として、幅広く活動する。